現金商売以外は現金を持つなのススメ 2017年03月29日

現金の重要性
現金商売の場合、終業時には現金を実際に数えて、レジの記録と過不足がないかを確認し、過不足がある場合その原因を突きとめます。その日に原因がわからない場合も、一定期間保留し、原因をできるだけ追求します。毎日の現金実査と帳簿との照合が経理の信頼につながる、大事な仕事です。

現金が動くとその都度の記帳義務がある
ちょっとした支払いに備えて小口現金制度があったり、経費精算を営業マンの都合で適宜対応するために経理担当者に現金を持たせたりしている会社もあります。
会社法432条1項(会計帳簿の作成及び保存)では、「適時」の帳簿作成が定められています。そのため、現金出納帳をまとめて記帳するということはできません。お金が動けば、遅くともその日の終業時には現金を数えて現金出納帳を記帳しなければなりません。これって経理担当者にとって結構な心理的負担であり、かつ、時間と労力の無駄です。現金商売でない限り、現金が必要という心の呪縛は捨て去りましょう。

こうすれば経理担当者はストレス・フリー
現金を持たなければ、毎日の記帳義務はなくなります。定期的に決めた日程での記帳作業となります。また、仕事の途中で経費精算のために作業を中断させられるようなこともなくなります。こうすることで、経理担当者は仕事に集中することができることとなり、現金管理の精神的な負担や作業中断のストレスから解放されます。

立替経費精算制度で問題解決!
小口現金や随時の経費精算がなくなれば、不都合が生じるのではないかという懸念を持つ方もいらっしゃるでしょう。しかし心配無用です。下記で問題なく運用できます。

(1)立替経費精算制度
営業マンの交通費精算も含め全ての小口の経費精算は、定期的(毎月がベター)な報告書精算とし、支払は給料日にまとめて行います。経理担当者は確認作業をまとめて行なえ効率的な仕事ができます。精算する営業マンも提出期限に遅れると翌月まで返金されないので精算遅れが少なくなります。

(2)事前仮払金前渡制度
入社時に平均的な経費精算額よりも少し多い金額を前渡しします。一種の定額資金前渡制度(インプレストシステム)です。
なお、臨時の出張等でお金が必要になる際は、事前の仮払申請に都度口座振込で対応すれば解決します。

法人事業の開始と個人事業の廃止 法人成りの年分の確定申告 2017年03月22日

「法人成り」(会社設立)年分の確定申告
個人事業者の方が「法人成り」(会社設立)をした年分の確定申告は、通常年分と異なり、いろいろと厄介です。基本的には次のような所得を申告することになります。
①法人成り直前までの事業所得
②会社からの給与所得
③設立した法人に譲渡した資産の譲渡所得
③で個人の不動産を法人に譲渡すると多額の譲渡所得が生ずる場合もあるため、不動産を個人名義とし、法人と個人との間で不動産賃貸契約を締結するケースも多くみられます。この場合、「法人成り」の年分から、「不動産所得」が生ずることになります。
また、会社から配当があれば「配当所得」が発生します。

 

個人事業廃止年分の届出・減額承認申請
所得の種類が増えるということに加えて、個人事業の廃止年分の届出や特殊な処理・手続きが生じます。

(手続1)個人事業廃止に伴う届出
事業を廃止した場合には、原則的には「個人事業の廃業届出書」を廃止の日から1月以内に納税地の所轄税務署長に提出することになります。「青色申告の取りやめ届出書」や「給与支払事務所等の廃止届出」等の提出も必要となります(青色申告の効力は廃止年分の翌年に失われます)。

(手続2)予定納税の減額承認申請
上記の廃業届出書の提出をしただけでは、前年の事業所得の金額に基づいた予定納税の通知が行われてしまいます。そのため、廃止時期にもよりますが、「減額承認申請」の手続きを行っておいた方がよいでしょう。

個人事業廃止年分の事業税の見込控除
個人事業者の皆さんは、個人事業税は、ご自身が申告した所得税の確定申告データが都道府県税事務所にわたり、賦課決定された通知額を納付していたと思います。
個人事業の廃止年度の事業税も同様に確定申告後に税額が通知されることになりますが、これでは個人事業の必要経費に算入することができません。そのため、廃止年度の事業税は通知を待たず、「見込額」を必要経費に算入することができます。この場合の事業税計算の事業主控除290万円は月数按分することになります。
また、確定申告書Bの第二表「住民税・事業税に関する事項」の「前年中の開(廃)業」欄の「廃業」を○で囲み、その月日を記入します。

10年で年金受給権ができる 2017年03月16日

新たに64万人が年金受給
年金の受給資格を得るのに必要な保険料の納付期間を25年から10年に短縮する改正年金機能強化法が成立しました。老齢基礎年金の納付期間は現在の25年から10年に短縮されました。平成29年8月から施行され10月に第1回目が支払われます。
日本では「無年金者」(無年金見込者含む)は118万人と推計されています。65歳以上の無年金者の約6割は保険料納付期間が10年未満です。平成29年8月以降は25年の年金受給資格期間を充たさない無年金の高齢者も10年以上の加入期間(免除・猶予・カラ期間を含む)があれば保険料を納めた期間に応じた年金が支給されることになります。

外国の年金加入期間
外国での年金受給資格期間はアメリカの約10年、イギリスでは一定以上の収入の人が加入する事となっており加入期間は特になく、ドイツの加入期間は5年、フランスやスウェーデンは加入期間の決まりはありません。今後少子高齢化の日本では労働力人口が減少し、保険料収入も縮小すると考えられます。そして他国からの外国人の受け入れ人数が増えて行くものと考えられます。他国の方が日本で働き、本国に戻って65歳から日本から年金が受けられたら魅力的でしょう。

いくら受給できるか
新たに受給できるようになるのは保険料を払った期間が10年以上25年未満の人で、過去にさかのぼっては受給できません。
年金額は保険料の納付期間に応じて支払われます。国民年金の場合は加入期間が10年で月約1万6千円、20年で約3万2千円、40年では満額の6万5千円となっており、10年で支給された額では生活費の補てん程度にしかなりません。また、10年で受給ができるなら満額まで納めなくともよいと考える人も出てきそうです。
手続は加入が10年以上あった方は年金の請求書が送られてきますので、記入押印して年金事務所に提出します。しかし保険料免除やカラ期間を含めて10年以上になる方には請求書は送られてこないので自身でカラ期間の確認を行い、請求する事が必要です。

V字回復のススメ ~MBA的思考の裏技~ 2017年03月06日

ゴーン氏「V字回復、もちろんできる」
燃費試験の不正問題が発覚し、壊滅的打撃を受けた三菱自動車ですが、日産自動車が三菱自動車株の34%を取得し、救済に乗り出すこととなりました。
カルロス・ゴーン氏は、1999年フランスのルノー社副社長から日産自動車の建て直しにCOO(最高執行責任者)として着任し、「日産リバイバルプラン」でリストラや工場閉鎖、購買コストの削減などの大胆な改革を実行し、長年業績の低迷に苦しんだ日産を、強力な指導力でV字回復に導きました。そのゴーン氏が、三菱自動車を「経営体制やシナジーでV字回復させる」と宣言しています。

V字回復とは
V字回復とは、字のごとく落ち込んだ利益が劇的に回復する様を表しています。回復する前の落ち込みが大きければ大きいほど、V字回復の成果も大きく見えます。
MBAの会計学の教科書では初歩的な手段として、ビッグバス効果という手法を学びます。ビッグバスとはBig bath(大きな風呂)という意であり、企業に蓄積した損失を洗い流すというニュアンスがあります。米国では、経営者が交代する際に、前経営者のもとで蓄積した損失に将来のリストラ費用を上乗せして計上することで、翌期の費用を圧縮し、収益が劇的に改善したように見せるために使われることがある手法です。ゴーン氏のV字回復は、まさにビッグバス効果と言えます。

V字回復のススメ
税務会計に縛られずに会計計上する(=見積損失を税務申告書で否認加算する)場合、使えない資産の評価損での切り下げやリストラ費用を過大計上する”taking a bath”という手法で、V字回復を演出することが可能となります。
ただし、この演出は通常1度限りであり、いつも使えるものではありません。継続的な好業績の維持には別の経営手腕が必要です。
とはいえ、再建屋として経営招致された場合や、急な代替わりで一気に信頼をつかまなければならないなどのひっ迫した事情がある場合には、外科的裏ワザとしておススメといえます。

個人型確定拠出年金の適用拡大 2017年02月27日

新たに個人型に加入できる人
平成29年1月より個人型確定拠出年金(個人型DC)に加入できる人の範囲が広がりました。今まで個人型DCは企業年金の無い会社員と自営業者等が対象でしたが、新たに確定給付年金の制度がある企業の会社員、公務員、専業主婦も加入できるようになりました。
個人型DCとは「老後資金を積み立てながら現在の税金を軽減する」制度です。愛称もiDeCo(イデコ)と名付けられています。

掛け金と所得控除
掛け金は月額5千円からで全額所得控除、所得税や住民税の計算から除外されます。掛け金の上限額が各々の立場で異なります。例えば企業年金の無い会社員の上限額は月23,000円、年間276,000円です。この場合、所得税、住民税が20%(復興税除く)として、この掛け金額にかかる分の20%、55,200円が節税となり年末調整等で戻ります。企業年金のある会社員と公務員の上限額は年144,000円、専業主婦は276,000円。専業主婦は夫が保険料負担をしていれば夫側で所得控除ができます。自営業者は年816,000円(小規模共済等他の所得控除の制度の掛け金と合わせた額)です。

運用方法
確定拠出年金は金融商品を運用するので対象は預貯金、投資信託、保険等の金融商品を選びます。運用益は非課税ですが、場合によっては損失が生じる事がないとは言えません。運用コストもあるので「個人型確定拠出年金ナビ」で調べてみましょう。預貯金ならリスクは少ないものの利回りは低く、期待利回りの高い商品もいろいろで選択はなかなか難しいものです。長い目で考えることが必要でしょう。
口座を開くと金融機関によって違いますが、加入時の手数料3千円程度と管理費が年間1千円から7千円位かかります。

受給の時
受給は原則満60歳からで原則中途引き出しはできません。受給時は一時金、年金、両方の併用が選択できます。一時金であれば退職所得控除の対象です。企業の退職金支給時と重なると控除枠を超えてしまうことがあるので注意が必要です。年金受給の場合も公的年金控除の範囲を超えると課税されます。一般的には一時金の方が節税効果は大きいと言われています。

平成28年分の確定申告から!確定申告書へのマイナンバー記載 2017年02月20日

H28分から確定申告書にマイナンバー記載
いよいよ、平成28年分の所得税の確定申告書からマイナンバーの記載が始まります。申告書の様式も少し変わり、マイナンバーの記載欄(12桁)が設けられました。
所得税の確定申告書にはA様式・B様式の2つのタイプがありますが、A様式(給与所得者の医療費控除や住宅ローン控除の還付申告等で使用)のマイナンバーの記載欄は次の箇所に設けられています 。
A様式
第一表
・本人のマイナンバー記載欄
第二表
・控除対象配偶者のマイナンバー記載欄
・扶養親族のマイナンバー記載欄
(住民税に関する事項)
・16歳未満の者のマイナンバー記載欄B様式には「事業専従者」の番号記載欄
事業所得や不動産所得の申告を行う方が使用するB様式の申告書には、A様式の記載事項に加え、「第二表」に「事業専従者のマイナンバー記載欄」が設けられています。
なお、「第三表」(分離課税用)や「第四表」(損失申告用)、青色申告決算書や収支内訳書、住宅ローン控除の計算明細書にはマイナンバーの記載箇所はありません。

申告書には「本人確認書類(写し)」の添付
また、番号確認(マイナンバーが正しい番号であるかの確認)と身元確認(なりすまし防止)のため、申告書に「本人確認書類(写し)」の添付が求められております。
ただし、申告書に添付が必要とされるのは「本人分」の「本人確認書類(写し)」のみです(全員分を取らなくても結構です)。

典型的な書類の添付例
①マイナンバーカード(表裏両面の写し)
②通知カード+運転免許証・健康保険
もし、通知カードを紛失されている場合には、個人番号付きの住民票を発行して頂く方が早いかもしれません。

税理士が代理送信する場合その他の申告
本人確認書類は、当年分の「添付書類台紙」に貼付して申告書に添付するか、税務署窓口に「本人確認書類(原本)」を提示することになりますが、税理士がe-Taxによる代理送信をしている場合には、「本人確認書類」の添付は省略されます。
所得税の確定申告ばかりでなく、消費税や贈与税の申告書も同様の取扱いを受けますので、ご注意ください。

平成28年分確定申告 公社債等の利子と源泉徴収 2017年02月16日

利子所得も申告可能に
公社債等の利子については、昨年までは特定の国外債を除き、支払時に「所得税及び復興税15.315%・住民税5%」による源泉徴収が行われ、この源泉徴収によって納税が完了でした(源泉分離課税)。
しかし、平成28年1月1日以後、特定公社債等の利子所得については、申告分離課税による確定申告を選択することができるようになりました。
また、同族会社が発行した社債で、その同族株主等が受領するものの利子については、支払時に「所得税及び復興税15.315%・住民税なし」による源泉徴収が行われたのち、当該利子所得は総合課税の対象となり確定申告を要することになりました。

特定公社債等の利子とは
ちなみに、特定公社債等の利子は、①特定公社債(国債、地方債、外国の国債及び地方債、上場公社債、公募公社債その他の特定の公社債)の利子、②上場公社債投資信託の収益の分配金及び公募公社債投資信託の収益の分配金等からなっています。個人投資家の運用対象の大部分がこれに該当します。
一方、一般公社債等の利子とは、特定公社債等の利子以外の利子です。

利子割と配当割
住民税においては、昨年まで、利子については「利子割」、そして、配当(特定配当等)については「配当割」、という名称で特別徴収(源泉徴収)をしていました。
しかし、平成28年1月1日以後における特定公社債等の利子に対する住民税5%は、利子割ではなく、配当所得に対する住民税5%と同様に、「配当割」と定義されました。
理由は、特定公社債等の利子が上場株式等の配当等に包含され、結果、申告分離課税が選択できるようになったことによるものと思われます。

申告分離による源泉税の取扱い
平成28年1月1日以後は、特定公社債等の利子所得と特定の譲渡により生じた上場株式等(特定公社債等も含む)の譲渡損失との損益通算が可能となったことから、申告分離課税を選択し確定申告をすることで、場合によっては源泉徴収された税金(配当割含む)を還付することもできます。なお、特定公社債等の利子等についても、特定口座の源泉徴収選択口座に受入れができ、その口座内での通算が可能です。

去年のふるさと納税の確定申告は必要? 2017年02月14日

確定申告が必要な場合があります
自身の収入・所得・控除によって決まる控除上限金額以内の寄附ならば、自己負担が2,000円で済み、残りの寄附額は税金から引かれて、さらにお礼の品まで貰えるお得な制度として、かなりの認知度を得ているふるさと納税ですが、普段確定申告をしていない方でも、確定申告が必要になる場合がありますので、注意が必要です。

確定申告不要なのはこのパターンだけ!
①寄附先が5か所以内の自治体
②確定申告をする必要の無い方
③寄附ごとに「寄付金税額控除に係る申告特例(ワンストップ特例)申請書」を提出している
この上記3項目をすべて満たしている場合のみ、確定申告が不要です。また、1月10日までに寄附先の自治体へ申告特例申請書が届いていないと、特例申請が認められません。期日を過ぎてしまった場合も、確定申告が必要となります。

医療費控除等、申告必須のものが出た場合
申告特例申請書を提出していても、後から医療費控除等の確定申告が必要なものが出てしまった場合は、確定申告をした際にワンストップ特例が自動的に取り消されます。他に確定申告をする必要が出てしまった場合は、必ずすべてのふるさと納税を確定申告しましょう。

意外と多いご質問
「税理士先生にふるさと納税の確定申告をお願いしたのだけど、寄附金受領証の原本が返ってきた。これは提出しなくていいの?」というお問い合わせをいただきますが、税理士事務所の場合、電子申告で確定申告を提出しているケースが多いのです。この場合は第三者作成書類として、添付を省略できるものに、ふるさと納税の寄附金受領書が指定されていますので、原本やスキャンデータを提出する必要がありません。これは個人でe-Taxにて申告をする場合も同様です。
ただし、調査や照会等で必要になる場合がありますので、原本は大切に保管しておいて下さい。

要注意! 小規模企業共済の解約 2017年02月06日

小規模事業者の退職金制度
小規模企業共済は、個人事業者や小規模企業経営者の退職金制度として人気があり、平成28年3月末現在で在籍件数は約165万件、資産運用残高は8兆8,000億円にも達します。
国が運営する退職金準備の制度ではありますが、掛金が全額所得控除となり、所得税や住民税の節税となることにメリットを見出して加入している方も多いことでしょう。

共済金を受け取るときに課税される
個人事業者の場合は廃業したとき、法人経営者の場合は役員を退任したときなどに共済金を受け取ることになります。
共済金を受け取るときに課税はされますが、退職金として一括で受け取れば退職所得控除、年金として分割で受け取れば公的年金等控除が受けられるため、やはり所得税と住民税の節税効果はあります。

やってはいけない途中解約
このように大きなメリットがある小規模企業共済制度ですが、注意点もあります。それは、退職等をする前に、やむなく途中解約する場合です。
解約手当金として受け取る場合、一時所得として課税されますが、一時所得の金額の計算上、今まで払い込みをした掛金の総額を、収入を得るために支出した金額(いわゆる必要経費)に算入できません。解約の場合は税制優遇を受けられないことになるのです。
掛金を支出したときに所得控除(必要経費算入)していたので当然と言えば当然ですが、ここを見落とすと、解約時に所得税と住民税の課税が待っています。
また、掛金納付月数が240ヵ月(20年)未満で解約したときの受取額は、掛金合計金額を下回りますので、注意が必要です。

大まかにライフプランを考えておこう
解約手当金ではなく、共済金として受け取れば、一般的に掛金合計額より多くの金額を受け取れる制度です。いつどのようにして共済金を受け取るかの戦略的なプランがあれば、余計な税金を払わずに済みます。
これら税制優遇がある制度をうまく活用して将来に備えることが、ますます重要になりそうです。

ダブルアイリッシュ、 ダッチ・サンドウイッチ 2017年01月31日

アップルやグーグルの経営者は国際税務をよくわかっている!
世界的規模でビジネスを展開している多国籍企業にとって、インターナショナルタックスはマーケティング費用・金融費用・総務管理費用等と同様に大きなコストです。グループ全体としてどのようなもの(利益を含む)に対して課税され、税引き後利益の稼得にどれだけ貢献できるかということまで斟酌しておかなければなりません。
そのため国際租税管理は多国籍企業にとつて世界的規模で行われることになります。

アイルランドとオランダの優遇税制
優遇税制で、優良多国籍企業を誘致し、雇用を創出する政策も、国が採りうる有効政策です。アイルランドやオランダは、多国籍企業にとって魅力的な優遇税制を持つ国です。
“ダブルアイリッシュ、ダッチ・サンドウイッチ”とは、法人税率の低いアイルランドに子会社を2社作り、この2社間の取引にオランダ法人を挟む税戦略によって、グループ全体の納税額を劇的に削減させる手法です。もちろん、この取引に他のタックスヘイブンも絡めるといった複雑な取引となります。とはいえ、合法な節税策であり、税制改正で抜け道がふさがれるまでは有効な戦略です。(具体的な手法を知りたい方は、ネットで検索してみてください。国際会計事務所が出しているニュースレターなどで解説を読めます。)

トランプ税制で米国回帰を促せるのか?
新大統領となるドナルド・トランプ氏は、選挙公約の中で、租税回避地並みの低税率で、海外に移転した企業を米国に呼び戻し、外資企業も誘致して米国内に雇用を創出しようと訴えていました。また、タックスヘイブンなどに留保している利益を米国本国に送金する際には、現行よりも低い税率とし、米国への資金流入を増加させようとしています。
アイリッシュウイスキーをダブルで飲みながら、サンドウイッチを頬張っていそうな豪快なイメージのトランプ氏ですが、対抗策で米国本籍の多国籍企業を米国に回帰させることはできるでしょうか。トランプ税制で実現できるかどうか、楽しみです。